てっちゃんの考え方

①作業療法学生としての記事 ②教育に関する記事 ③趣味の記事

医療系受験をしたい高校生へ②

この記事は『医療系受験をしたい高校生へ①』の続きになっていますので,まだの方は下リンクからどーぞ.

umajirou3.hatenablog.com

 

さて,今回の記事ですが,塾の先生的視点から医療系受験を考えてみたいと思います.

 

医療系大学の偏差値

受験といったら気になるのが偏差値だと思います.

ご存知の方は多くいるとは思いますが,医療系大学の偏差値とMARCHなどの一般的な総合大学との偏差値とは少々異なる場合があり,単純な比較できない場合があります.医療系大学自体は首都圏ではそんなに多くないので,単純に上位からランク付けして比較しながら考えるのがいいかもしれません.

保険医療系学部として,大体で入学難度から並べて考えると,首都圏では以下のようになるかと.

国公立大学>順天,北里≧杏林,赤十字創価≧昭和>東海…

いろいろ抜けてるのはありますがこんな感じになるかと考えられます.

こうやってみると国公立大が最強に見えます.

国公立大学の医療系学部って最高?

最初に結論から述べますと,「あんまメリット無い」です.

確かに,偏差値の高い大学に行けば,質の高い同級生がいて,互いに切磋琢磨できるという側面はあり非常に良いことかもしれません.

ですが,教育内容はレベルが高かろうと何だろうと画一的で,国家資格の免許を取ろうと思えば,超有名大だろうと超低ランク専門学校だろうと変わりません.

更に言ってしまえば,国公立大学の最大の「うま味」である学費の安さも,医療系の前ではあまり意味を成しません.なぜかと言うと、附属病院を持っている大学の多くで,免除型の奨学金制度が整備されているからです.PTやOTはこのような奨学金の整備はされていないところがたまにありますが,看護に関してはほぼ換装されています.

さらにさらに,看護以外の医療職は就職時に附属病院に入れるとは限りません.国公立大学の附属病院は各県一個以上設置するという規定はありますが、大体どこも一病院です.何なら首都圏の国公立大学附属病院はほとんどありません.あったとしても(看護師はほとんど入職できるが)PTやOTの枠なんて僅かです.これなら附属病院をたくさん持ってる私立大のほうがよっぽどマシです(笑)

以上のことから国公立大学に行くというのは,勉強がムダに大変なだけであんまりうま味はありません.強いて言うとするなら,学歴フィルターのある人にはすごそうに見えるってだけです.

 

一般入試か推薦入試か

よく受験の世界では「推薦は甘え」みたいな風潮があります.ですが,医療系受験の場合は,個人的に「推薦がベスト」だと考えています.

なぜ推薦がベストなのかというと,理由は大きく分けて2つあります.

1.小論文のおかけでレポートが楽

医療系の推薦入試には小論文がほぼ確実にあります.小論文は勉強すれば分かりますが,コツが分かればめちゃくちゃ簡単です(わからないとかなりシンドイ).これの何が素晴らしいかというと,医療系は入学してから卒業するまで死ぬほどレポートを書きます.なので,ある程度の文章力やまとまった文を想起する力が必要になります.逆に言うと,医学領域は高校の勉強による前知識がほとんどなくても何とかなります.むしろ文章力,何よりも文章力大事です(笑)

2.さっさと合格決めれば大学の勉強の予習ができる

上でもちらっと書きましたが,医学は高校の前知識をあんまり必要としません.これの真意は,「新しい思考回路がいる学問」だってことです.入学後いきなり解剖学や生理学という学問に触れますが,こんなもんは生物の知識があっても分かりません.だってそれを考える思考回路ができてないから.でも日々の授業はあっという間に過ぎ去っていきます.これを知って入学する人はまずいません.なので他と差をつけるために,そして奨学金を手に入れるためにも,さっさと合格して残りの期間を解剖学や生理学を勉強する時間に回して,思考回路を作っておくことが重要です.

 

以上の2点から推薦で決めることができるなら,さっさと推薦で決めた方がお得です.まぁでも何よりまず入学してください(笑)

 

 

今回は塾の先生的な視点で医療系受験についてまとめてみました.

おそらくこんな記事を書いているサイトや教えてくれる人はまずいないと思います.

ぜひ参考にしていただいて,今後の勉強に役立てていただければと思います.

医療系受験したい高校生へ①

こんにちは.

そろそろオープンキャンパスの時期ですね… 

実習中だってのに僕にもいろんなお仕事のお手伝いの声がかかってます…

今回は以前に吉備国際大学の京極先生が取り上げていた,これを見習って

kyougokumakoto.blogspot.com

医療系大学に入りたい人,特に作業療法作業療法学生の視点②塾の先生的な視点で取り扱いと思います.(今回は①についてお話します.)

 

作業療法士になるには

 最初に言っておきたいのは,作業療法士はどこ(専門学校、短大、大学)に行っても対して変わらないってことです.その心得は、教育の基準を満たせば誰でも作業療法士にはなれるからです。詳しく話すと、世界作業療法士連盟(WFOT)の定める、作業療法士教育の最低基準と日本作業療法士協会が法律をベース 決めた基準を満たした教育がされていれば、あとは何やってもオッケーよってことなんです.

つまり,ただ単に作業療法士になりたいだけなら3年制の専門学校行ったほうがむしろ早くなれるので,(無理して大学入る必要は)ないです.

 

僕的学校の選び方

「じゃあどうやって学校選ぶんだよ、このハゲ!!!」って声が聞こえてきました.

お答えすると,作業療法学生的には,実習のやり方だと思っています.今回は

「クリニカルクラークシップ」

このワードだけでいいので覚えてもらって,これを採用している学校に入るべきだということにしたいと思います.

昨年,厚生労働省理学療法士作業療法士協会の協議の結果,カリキュラム改定が改定となりました.ここに議事録と結果を載せておくので,暇な人は見てみてください.

www.mhlw.go.jp

今回の改定で大きく変わったのは、在宅医療教育の強化、基礎必修科目の追加、そして何よりも臨床実習の方式変更(クリニカルクラークシップ型実習への移行)です.

何で実習のやり方がそんなに大事なのかというと,国が動いていかないとアカンくらい従来の臨床実習の闇が深いからです.

 

学生にとっての臨床実習

臨床実習は私達学生にとって鬼門です.

いくら楽しい実習でも,毎日のように「早く終われー早く終われー」と思います.これは単純に,課題に追われる毎日から解放されたい,自分の態度を一挙手一投足観察されてるってのがプレッシャーでしかないからです.

もっと言ってしまうと,臨床実習で毎年のように学生が追い込まれ自殺し亡くなってます.これはどこの学校でも起こり得る非常にシビアな問題です.

ptjisyu.com

こういった闇が深い実習を国会で指摘してくれた国会議員の人もいます.

そういう動きもあってか,昨年クリニカルクラークシップに移行しましょうねーっていう御達しが国から出されたわけです.「クリニカルクラークシップって何?」っていうのは長いので,別の記事にします.あれならオープンキャンパスで先生に聞いてみてください.

 

附属病院の重要性

 いくらクリニカルクラークシップでも,学校でやってほしいことと実習先の先生がやりたいことが違っていて,学生が板挟み状態なることは結構あります.これが起こるのは,教員と臨床実習担当の先生との打ち合わせというのは密であるとは限らないからだと私は考えています.

この溝を改善してもらうには,実習生のほとんどを自分の学校の附属病院で賄うことがベストかなぁと思っています.附属病院で賄うことができれば,学校と実習先の連携が密になり,ディスコミュニケーションが減ります.その結果,学生が学校と実習先の板挟み状態にならなくても済むようになります.

最近だと昭和大学作業療法学科で,実習先を全て附属病院で賄い,「臨床教員」という制度を導入して,実習先に自分の学科の教員を送り込むというのも行われています.

 

 結局何が言いたいのか

学校選びをする時は,偏差値云々ではなく,どういった方式の実習で,学校と実習先の繋がりはどうなのか,実際に通ってる学生の感想はどうなのかってのを総合的に判断する必要があると思います.むしろそうやって選ぶべきです.

これも新カリキュラム案に盛り込まれていますが,実習先はできる限り学校と密な連携(学校教員と臨床実習教員がしょっちゅう会議してるなど)が取れているのがいいと思います.つまりは附属病院が多い学校.何ならその附属病院に教員を送り込んでるところだとなおいいです.

これを満たしている学校なら専門や短大,大学のどこでもいいということになります.

わたしのかんがえるさぎょうりょうほう

作業療法って何でしょう?

作業療法(Occupational Therapy;以下OT)を知らない人にとっては当然わけわかめだと思います.

「あーあれね.作業やるんでしょ?(適当)」がいいとこでしょう.

作業療法に精通している人でも,作業療法って何?って言われると身構えてしまうことがあります(これは専門職としてはかなりヤバイ).

今回はそんな作業療法について私見ですが,受験を控えた高校生や作業療法に悩んでいる作業療法学生にもわかるようにまとめてみようと思います.

 

作業療法の定義

先日,OT協会の方で作業療法の定義がまとめられてこんな感じになりました.

作業療法は,人々の健康と幸福を促進するために,医療,保健,福祉,教育,職業などの領域で行われる,作業に焦点を当てた治療、指導、援助である.作業とは,対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す.

 

詳しくは,吉備国際大学の京極先生のブログを見るといいと思います.

kyougokumakoto.blogspot.com

 

元々の協会の定義はというと

作業療法とは,身体又は精神に障害のある者,またはそれが予測される者に対し,その主体的な生活の獲得を図るため,諸機能の回復,維持及び開発を促す作業活動を用いて,治療,指導及び援助を行うことをいう.

 

法律では

この法律で「作業療法」とは,身体又は精神に障害のある者に対し,主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため,手芸,工作,その他の作業を行なわせることをいう.この法律で「作業療法士」とは,厚生労働大臣の免許を受けて,作業療法士の名称を用いて,医師の指示の下に,作業療法を行なうことを業とする者をいう. 

(出典:一般社団法人日本作業療法士協会.作業療法ガイドライン2012.http://www.jaot.or.jp/wp-content/uploads/2013/08/OTguideline-2012.pdf)

 

さらにさらに世界作業療法士連盟(World Federation of Occupational Therapists)のだと,

Occupational therapy is a profession concerned with promoting health and well being through occupation. The primary goal of occupational therapy is to enable people to participate in the activities of everyday life. Occupational therapists achieve this outcome by enabling people to do things that will enhance their ability to participate or by modifying the environment to better support participation.

作業療法は作業通して健康と幸福を促進する健康関連専門職である.作業療法の主たる目標は,人々が日々の生活の活動に参加できるようにすることである.作業療法士はこういった目標を達成するために,人々が自ら活動参加をもたらすようなことを仕向けたり,よりよい参加の支援のための環境整備を行ったりする.(下線は私訳)

 

以上のように定義だけでもいろいろあって,まとめて理解するのは難しいです.

協会の新定義はこの中でもかなり分かりやすくまとまっていると思います.

でも高校生がこれをみて作業療法を理解できるかというとNoです.実際に高校生に見せたところやっぱり駄目でした.

定義から中身を理解するというのは当たり前の手続きなんですが,作業療法に限ってはぱっと見で難しそうですね...(笑) 

 

誰でもわかる簡単な言葉で書き起こしてみる

結論から申し上げますと,私の考える作業療法の説明は「やりたくてもできない行為を何とかできるように仕向ける支援法」です.

説明不足な点は否めませんが的は得ていると思います.

作業療法では,生活でするあらゆる行為=作業として考えています.これを踏まえて私の説明をちょっと詳しく説明してみます.

「やりたくてもできない行為」

作業療法で扱うべき状態をすんげぇ簡単に説明したつもりです.

人間誰しもやりたいこと,やらなきゃいけないこと,やってるのが当たり前になっていること(=意味のある作業)があります.このようなことができない状態にあると,不健康になってしまうことは予想がつくんじゃないでしょうか?作業療法はこの考え方を基礎として,このような状態の人のために何ができるかな?と考えているのです.

「何とかできるように仕向ける支援法」

上記の状態の人を助けてあげる手段を説明したつもりです.

作業療法では,意味のある作業ができない状態にある場合,医学を使うのはもちろんのこと,人的・物理的な環境調整をしたり,必要なら教育も行ったりと言葉通り「何とかする」ことがあります.そのため働く領域は医療に限ったことではないということになるんです.「仕向ける」や「支援法」という言葉を使用したのも,治療だけをしている訳ではないというのを強調したかったのです.また「仕向ける」には,その行為をやるのは対象者なんだ!!!っていう強い意味も込めときました.

 

 

ここまで長く作業療法の中核的な意味について考えてきました.

私にとっての作業療法はこれだって思ってます(笑)

これを機にみなさんにとっての作業療法を考えてみてください.

初記事

はじめまして!

 作業療法というリハビリの領域の学生をしていて,塾の先生のてっちゃんと申します.

今回何でこんなブログを始めたのかというと,

①自分の考えを整理する場所が欲しかった

②自分の考えが何かの役に立ってほしい

③少し有名になれればという透明な水並みの淡い希望

って感じです.

 

普段はTwitterでまじめな話半分,頭の悪いことで半分くらいなアカウント

twitter.com

でテキトーに考えを整理してたんですが,字数制限がつらく,興味ない人にはお目汚しにしかならないので,ブログを開設した次第です.

 

どんな内容なのか?

作業療法学生としての記事

私見に基づく作業療法に関するいろいろなことを,多少の齟齬は承知で学生(大学生・高校生)に伝わるように書きます.自慢ではないですが成績はいい方なので,国家試験対策の記事を勉強ついでにチャレンジしてみます.

・塾の先生・教育者としての記事

「てめぇは教育者でもなんでもねぇだろ」って声が聞こえてきます,はい(笑)

でも私は,塾はバイトで程度ですがかなり長くやっています.高校生の時から大学3年までの間は,少年野球のコーチもしていました.個人的な興味関心として教育領域の文献も読んでいます.大学生でもこんな感じに教育を捉えているんだなぁってくらいの感じで見ていただければと思います.

内容としては,高校生・中学生の勉強/受験や将来の決め方についてや医療系大学の実態を書きつつ,小論文とかの書き方をお話しできればなぁと思っています.

・全く個人的な趣味の記事

広く浅く,時々深く人間なのでいろんなことが好きです.

いろんな記事を書いていきます(要はジャンル分けできないその他).

 

どんな人に見てもらいたいか?

このブログをどんな人に見てもらいたいかというと,私と同じ境遇の作業療法学生,受験に悩む高校生,中学生です.「作業療法士の人に見てもらいたくないのか?」といわれると,「正直どっちでもいいです.」が答えで,所詮は学生の戯言なので真に受けないでいただければと思っています.「こんな学生もおるんやなぁ... まぁ,頑張れや(笑)」ってレベルの生暖かい目で応援やコメントをしていただけると幸いです.

 

細長くやっていきますので,よろしくお願いいたします.