てっちゃんの考え方

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わたしのかんがえるさぎょうりょうほう

作業療法って何でしょう?

作業療法(Occupational Therapy;以下OT)を知らない人にとっては当然わけわかめだと思います.

「あーあれね.作業やるんでしょ?(適当)」がいいとこでしょう.

作業療法に精通している人でも,作業療法って何?って言われると身構えてしまうことがあります(これは専門職としてはかなりヤバイ).

今回はそんな作業療法について私見ですが,受験を控えた高校生や作業療法に悩んでいる作業療法学生にもわかるようにまとめてみようと思います.

 

作業療法の定義

先日,OT協会の方で作業療法の定義がまとめられてこんな感じになりました.

作業療法は,人々の健康と幸福を促進するために,医療,保健,福祉,教育,職業などの領域で行われる,作業に焦点を当てた治療、指導、援助である.作業とは,対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す.

 

詳しくは,吉備国際大学の京極先生のブログを見るといいと思います.

kyougokumakoto.blogspot.com

 

元々の協会の定義はというと

作業療法とは,身体又は精神に障害のある者,またはそれが予測される者に対し,その主体的な生活の獲得を図るため,諸機能の回復,維持及び開発を促す作業活動を用いて,治療,指導及び援助を行うことをいう.

 

法律では

この法律で「作業療法」とは,身体又は精神に障害のある者に対し,主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため,手芸,工作,その他の作業を行なわせることをいう.この法律で「作業療法士」とは,厚生労働大臣の免許を受けて,作業療法士の名称を用いて,医師の指示の下に,作業療法を行なうことを業とする者をいう. 

(出典:一般社団法人日本作業療法士協会.作業療法ガイドライン2012.http://www.jaot.or.jp/wp-content/uploads/2013/08/OTguideline-2012.pdf)

 

さらにさらに世界作業療法士連盟(World Federation of Occupational Therapists)のだと,

Occupational therapy is a profession concerned with promoting health and well being through occupation. The primary goal of occupational therapy is to enable people to participate in the activities of everyday life. Occupational therapists achieve this outcome by enabling people to do things that will enhance their ability to participate or by modifying the environment to better support participation.

作業療法は作業通して健康と幸福を促進する健康関連専門職である.作業療法の主たる目標は,人々が日々の生活の活動に参加できるようにすることである.作業療法士はこういった目標を達成するために,人々が自ら活動参加をもたらすようなことを仕向けたり,よりよい参加の支援のための環境整備を行ったりする.(下線は私訳)

 

以上のように定義だけでもいろいろあって,まとめて理解するのは難しいです.

協会の新定義はこの中でもかなり分かりやすくまとまっていると思います.

でも高校生がこれをみて作業療法を理解できるかというとNoです.実際に高校生に見せたところやっぱり駄目でした.

定義から中身を理解するというのは当たり前の手続きなんですが,作業療法に限ってはぱっと見で難しそうですね...(笑) 

 

誰でもわかる簡単な言葉で書き起こしてみる

結論から申し上げますと,私の考える作業療法の説明は「やりたくてもできない行為を何とかできるように仕向ける支援法」です.

説明不足な点は否めませんが的は得ていると思います.

作業療法では,生活でするあらゆる行為=作業として考えています.これを踏まえて私の説明をちょっと詳しく説明してみます.

「やりたくてもできない行為」

作業療法で扱うべき状態をすんげぇ簡単に説明したつもりです.

人間誰しもやりたいこと,やらなきゃいけないこと,やってるのが当たり前になっていること(=意味のある作業)があります.このようなことができない状態にあると,不健康になってしまうことは予想がつくんじゃないでしょうか?作業療法はこの考え方を基礎として,このような状態の人のために何ができるかな?と考えているのです.

「何とかできるように仕向ける支援法」

上記の状態の人を助けてあげる手段を説明したつもりです.

作業療法では,意味のある作業ができない状態にある場合,医学を使うのはもちろんのこと,人的・物理的な環境調整をしたり,必要なら教育も行ったりと言葉通り「何とかする」ことがあります.そのため働く領域は医療に限ったことではないということになるんです.「仕向ける」や「支援法」という言葉を使用したのも,治療だけをしている訳ではないというのを強調したかったのです.また「仕向ける」には,その行為をやるのは対象者なんだ!!!っていう強い意味も込めときました.

 

 

ここまで長く作業療法の中核的な意味について考えてきました.

私にとっての作業療法はこれだって思ってます(笑)

これを機にみなさんにとっての作業療法を考えてみてください.